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コラム(2007年6月29日)
 マンションやホテルの構造計算書が偽造され、耐震強度不足のまま建てられていた事件が発覚したのは05年11月。新聞記者として最後に担当した大事件で驚かされたのは、姉歯・元1級建築士が1棟だけで百人前後もの入居者を危険にさらすことを承知で欠陥設計を行っていたモラルの低さだった。
それから約1年7か月後の07年6月19日。冬柴・国土交通大臣は、「私は、今後、そういうものが絶対に建たないと確信をしています」と自信を見せた。再発防止対策を盛り込んだ改正建築基準法の施行を翌日に控えてのコメントだったが、「本当にそうなるだろうか」という疑念は消えていない。

 事件の基本的性質は、刑事裁判で懲役5年を求刑された姉歯・元建築士のずさんさにあったとされるが、建築行政の不備を露呈して見せたことは間違いない。対策の多種多様ぶりが、その事情を物語っている。建築基準法違反に対する罰則強化から、20メートル以上の建築物の構造設計を専門家機関がダブル審査するピアチェック方式の導入、さらには欠陥建物に対する売主の保険加入制度の導入などだ。それでも「前途は多難」と見ざるを得ないのは、安全設計を担う構造専門建築士の増加に大きな効果を発揮すると思われる対策が見られないためだ。
 
 事件を通じ改めて認識されたのは、構造専門建築士の地位がその役割に比して低く、1級建築士総数の1割にも満たないという現実だった。建築確認を委ねられている民間検査機関のなかには、構造専門建築士がいないところさえあったのである。
 増えない理由ははっきりしている。コンクリートや内装材で隠される構造の安全性はマンション購入予定者の目に見えない。建設・販売会社は目に見えるデザインや内装材などの宣伝に重きをおくため、構造建築士は軽視され報酬も低くなりがちになるからだ。安全性は市場競争原理に左右されやすいというパターンが、この事件でも浮かび上がったのである。事件後も、別の建築士絡みで類似ケースが各地で発覚したことは、この件が決して姉歯・元建築士だけの問題にとどまらないことを示している。

 市場原理に任せていては、構造専門建築士はこれからも増えにくく、設計の安全性が高まるとは考えにくい。そのような分野こそ行政の出番だろう。具体的には、構造専門建築士への報酬に最低ラインを設定することで、安全性の守り手にふさわしい収入を得られる基盤を整備することなども考えられよう。構造建築士の志望者が増えるステップになりうるのではなかろうか。

 事件後、マンションの購入希望者に構造の安全性を説明する建築・販売会社や、そうした説明を聞こうとする消費者が増えた。双方に、建築物に対する危機管理意識が高まってきた現象といえる。
 建築・販売会社は、価格競争力を高めようとするあまり、構造専門建築士に安全設計面で無理なコスト削減要求を突きつければ、意図しなくても欠陥マンションを建設・販売することにもつながりうる。その場合は、刑事責任を問われないとしても、損害賠償を請求される事態を招きかねない。この事件の教訓は、そのような点からも十分に汲み取る必要がある。

(鶴)


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by koho-sen | 2007-06-29 10:02
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